単焦点で撮る
Fujifilm X-E2 + Leica Elmarit-M 28mm f2.8 3rd
岐阜県加茂郡
14年前
写真を始めた頃、
カメラには自然とズーム機能がついていた。
だからレンズは全てズームレンズだと思っていた。
16mmから200mmまでズームレンズでF2.8で通したこともあった。
そして今手元にあるのは12mmと28mmと50mmの単焦点。全てディスコンとなった旧式のもの。
いつしかレンズズームレンズを手放していた。
初めて惚れ込んだ単焦点のレンズは、
撮るもの全てが美しくなる
そんなツァイスマジックを実感したレンズだった。
一眼レフのファインダーで覗くガラス製の宝石を通った像は、たちまち撮影意欲を高めた覚えがある。
それからというもの、
すっかりマニュアルフォーカスの単焦点の虜になった。
自分の足でズームする楽しさ。
ボケから浮かび上がる被写体の美しさ。
絶妙なピントを合わせ煩わしさ。
写しきれない時は目で被写体を焼き付ける潔さ。
写真の楽しさを全て教えてくれたのは他ならぬ単焦点レンズだった。
まだズームリングをあーでもないこーでもないとひねっているなら、一層の事ズームレンズは売ってしまった方がいいでしょう。
自分の撮りたいものだけが撮れるようになるはずですから。
絶景に会いに行く。
2015/08/14
岡山から瀬戸大橋を渡り、ローカル線に揺られること7時間。
それでも見に行きたい景色がそこにはある。
瀬戸内海にぽっかり浮かんだ無人駅。
その強烈なインパクトは一度見たら忘れられない。
過去、青春18きっぷのポスターで3度登場した駅は下灘駅だけだ。
中でも2001年のポスターが個人的には一番好きで、「前略、僕は日本のどこかにいます。」というキャッチコピーがもう最高にドキドキする。
滞在時間こそ2時間もなく、また帰りも岡山まで来た道を戻るのだが、この駅に行くことだけに夏休みを1日潰す価値はあった。
日本には、こういう景色がまだまだある。
絶景は会いに行ける。
カメラと一緒にどこか足を伸ばしてみるのも、素敵な休日の過ごし方だと思う。
シリアルナンバーのこと
シリアルナンバーの歴史はいつからだろうか。
大量生産される工業製品一つ一つに番号をふろうと考え出した人は誰だろうか。
Google先生に「シリアルナンバー 歴史」と聞いても誰が始めたのか、どの企業が導入したのか、いつ始まったのかさえ出てこない。
革新的だし、現代でも管理のために必要不可欠な技術なのに。
Leicaも例外ではなく全製品についている。
しかもそれを公開しているから、自分のカメラがいつ作られたのかまでわかる。
私のM3は1956/5/4〜7/20までに作られた個体。
今年で60歳を迎えている。
同ロッドのM3は7500台。
そのうちのどれか1台にでも出会える日が来たら、面白いなあと密かに思っている。
マニュアルでピントを合わせること
Fujifilm X-E2+Summitar 50mm F2
近頃毎日カメラを持ち歩いてはいるものの、
これといったものを撮れていない。
そんな自分にイライラしたから、
今回もこうして突然遠出してしまうのだ。
思い立ったらすぐ行動してしまうのは、
見切り発車だとか、計画性がないとか言われる事も少なくないが、
後悔したことは一度もない。
自分自身でストレスを解消する術を知っているから、
迷わず行動に移せるのだ。
◆
撮影中、一隻の船がこちらに走ってきた。
久々の動体撮影。
Summitarの滑らかなヘリコイドを指先が捉えた。
もしオートフォーカスのカメラを使っていたら、
違うところにピントが合っていたことだろう。
オートフォーカスでピントを外すことほど、
ストレスに直結することはない。
また、オートフォーカスが自分の意思に反し、
ピントを合わせたいところに合わないこともストレスになる。
でも、マニュアルなら、
自分の指先を信じてヘリコイドを回した上で、
それでもピントが合わなかったら、
「まあ、まだまだなんだな。」程度に流すことができる。
中には、
ライカはかっちり合焦させなくてもいい。
という人もいる。
そのくらいの気持ちでいるからこそ、
うまくピントが合ってたら、
「よっしゃ。」と心の中でガッツポーズができるのだ。